データでみる震災復興のいま|3.11企画 - Yahoo! JAPAN

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データで見る震災復興のいま

東日本大震災から7年。復旧、復興はどこまで進んでいるのか。
被災3県の生活、教育、産業などの状況をグラフで伝えます。

仮設住宅になお3万人
1万3600人はプレハブで暮らす

グラフ 仮設住宅の入居者数(出典:岩手県 / 宮城県 / 福島県)

東日本大震災の影響で、仮住まいを続けている人たちがいる。2018年1月末現在、岩手、宮城、福島の被災3県で1万3584人が、プレハブの仮設住宅で暮らしている。民間の賃貸住宅や公営住宅といった「みなし仮設」も合わせると、仮設住宅で暮らす人たちは2万9639人だ。

仮設住宅が残る背景には、住まいの再建の遅れがある。

復興庁によると2017年12月現在、災害公営住宅の供給は、3県の平均で92.5%の進捗率。高台に移転するための宅地造成は、3県平均で84.4%の進捗率となった。住宅と宅地のいずれも2018年度末にほぼ供給される見通しとなっている。自主再建を目指すための被災者生活再建支援金の支給申請は、14万件にのぼった。

一方、自主再建の見通しが立たないのが高齢者だ。若い世帯が退去するにつれ、仮設住宅のコミュニティーの高齢化が進み、孤立死の増加が懸念されている。

詳しく知る:仮設住宅で進む高齢化 – BuzzFeed Japan

過疎化する沿岸部
内陸部への移住が進む

グラフ 人口の変化(出典:住民基本台帳)

被災した3県の人口は、全国平均と同様に、少子高齢化に伴ってゆるやかに減っている。しかし、津波の被害を受けた沿岸部の人口は明らかに減っている。住まいの再建のめどが立たないふるさとをあきらめ、内陸部に移住した人が多いことがわかる。

グラフは、2015年10月1日時点の国勢調査で人口減少率が高かった自治体を、3県につき1町ずつ抽出した。

町の中心部が津波に襲われ、当時の町長をはじめ役場職員40人を含む1200人以上が犠牲になった岩手県大槌町。2016年3月の「大槌町人口ビジョン」によると、少子高齢化(自然減)と転出超過(社会減)の両方が同時に起きているという。震災後の転出先をみると、県外よりも県内の内陸部である盛岡市、花巻市、北上市が多く、仕事を求めた移住とみられている。最も多い転出先は釜石市で、災害公営住宅など居住先を求めた転出だと推測されている。

※グラフのデータは、住民基本台帳によるものです。避難先で暮らしていても住民票を移していない人も含まれます。

詳しく知る:転出する若者たち – BuzzFeed Japan

避難指示の一斉解除から1年
残る7市町村で6万4000人が避難

グラフ 避難指示区域と避難者数(出典:内閣府 / 福島県)

東京電力福島第一原子力発電所の事故直後に国から出された避難指示は2017年4月、対象地域となった福島県内11市町村の約7割で解除された。2018年2月現在、避難指示区域を含んでいるのは7市町村となっている。グラフの避難者数は7市町村で2017年12月1日現在、避難指示対象者だけでなく、自主避難者も含んだ人数だ。

避難指示区域のうち帰還困難区域は、2012年に年間積算線量が50ミリシーベルトを超えており、6年を経てもなお、20ミリシーベルトを下回らないおそれのある地域。居住制限区域は、年間積算線量が20ミリシーベルトを下回らないおそれがある地域で、引き続き避難の継続が求められている。避難指示解除準備区域は20ミリシーベルトを下回り、早期の帰還を目指している。

町全域に避難指示が出され、全町民が避難している大熊町では、町役場や学校を会津若松市の仮庁舎や分校で再開している。国は双葉町、大熊町、浪江町の帰還困難区域の一部を「特定復興再生拠点」とする計画を認定し、国費による除染や家屋解体、復興工事に着手する。2022年春までに避難指示を解除するとしている。

詳しく知る:帰還を「判断できない」理由 – BuzzFeed Japan

原発事故で故郷を離れた人たち
47%がPTSDの可能性

グラフ 震災が心に与えた影響(出典:震災支援ネットワーク埼玉 / 早稲田大学災害復興医療人類学研究所)

グラフで示しているのは、2017年に福島県南相馬市と関東1都6県で避難生活を送る双葉町、富岡町、大熊町、いわき市の住民(回収数1083件)のうち、心的外傷後ストレス障害(PTSD)の可能性がある人の割合だ。

早稲田大学の辻内琢也教授(医療人類学)が、国際的な評価尺度(IES-R)を使って震災翌年から調査している。

同じ対象の追跡調査ではないため単純比較はできないが、2012年に67%、2014年に58%、2016年には38%と減少傾向にあったものの、2017年には47%と上昇に転じた。背景には、賠償や住宅提供の打ち切りなど、避難者の孤立化があるとみられる。

PTSDの要因のひとつとして「ふるさとの喪失」もあげられる。同じ調査で、ふるさとに「絶対に帰りたい」「帰りたい」と答えた人は計31%。「帰りたくない」「絶対に帰りたくない」は計26%いるなど、月日がたち、その思いは複雑化している。

詳しく知る:避難者調査から見える「心の傷」 - BuzzFeed Japan

福島産の魚と米の放射性物質
基準値超えゼロが続く

グラフ 基準値(100Bq/kg)超の水産物・米(出典:ふくしまの恵み安全対策協議会 / 農林水産省)

福島第一原発の事故は、放射性物質の放出によって周辺地域の農畜水産物に大きな影響をもたらした。消費者は「食の安全性」に関心を寄せ、国や福島県などは、農畜水産物に含まれる放射性セシウム濃度の検査を始めた。

福島県の海産物を検査した結果、国の基準値(1キロあたり100ベクレル)を超える検体は2015年4月から出ていない。

一方、米は、福島県が県産米の全量全袋検査を2012年産から実施し、現在に至っている。2015年産から基準値超えはゼロが続いている。しかし、人手と費用がかかる全量全袋検査を実施しても、取引価格は事故前の水準に戻っていない。

消費者庁が、被災地域と東京など都市圏の消費者を対象にした意識調査によると、福島県産品の購入をためらう人の割合は減少傾向で、2017年8月の調査では13.2%だった。

※グラフのデータは、海産物が2017年12月26日現在。米は福島県産が2018年1月25日現在、他16都県が同2月1日現在。

詳しく知る:生産者の声を届ける若者たち – BuzzFeed Japan

汚染土と廃棄物を一時保管
福島県分は徐々に中間貯蔵施設へ

グラフ 汚染土と廃棄物の仮置場などにおける保管量(出典:環境省 / 福島県)

福島第一原発事故は、福島県を中心に広い範囲で放射能汚染を引き起こし、国と自治体は除染作業を続けている。

多くの汚染土と草木などの廃棄物が出ており、一時的な保管場所である仮置場や、一般家庭の敷地内や学校などの除染現場で保管されている。

福島県内では自治体だけでなく、国も除染・保管作業を担う。環境省と福島県によると、保管量は計約1330万立方メートルにのぼる。

それらは福島第一原発を囲む形で整備中の「中間貯蔵施設」に搬入し、2015年3月から30年以内に県外で最終処分をすると法律で定められている。

一方、福島県外ではそれぞれの市町村が保管。栃木県が最多で、千葉県、宮城県などと続く。環境省は、地中に埋めることを念頭に最終処分方法を検討中だ。それまでは仮置場や除染現場などで保管する。

※国実施分は2018年1月末現在、市町村実施分はいずれも2017年9月末現在。それぞれの単位は国が「袋」、各市町村が「立方メートル」としてデータを公表し、環境省は「1袋当たりの保管物の体積はおおむね1立法メートル」としている。そのため、福島県分に関して「立法メートル」で統一し、合算した。

詳しく知る:中間貯蔵施設のいま – BuzzFeed Japan

震災後に増える求人
沿岸部では雇用者数が伸び悩む

グラフ 有効求人倍率の推移(出典:環境省 / 福島県)

グラフは、岩手、宮城、福島の被災3県における有効求人倍率(年平均)の推移を示している。2013年からいずれも1倍を超え、2017年は1.5倍前後になった。震災前である2010年と比較すると、3県、全国平均ともに大きく上昇している。

厚生労働省によると、被災3県で有効求人倍率が高いのは、復興需要などで有効求人数が増加したのに加え、人口減少や就職決定などによって有効求職者が減ったためだ。

3県全体の雇用者数は震災前の水準まで回復している。一方で、沿岸部では有効求人倍率が高いのにもかかわらず、人口減少や復旧・復興の遅れによって震災前の水準まで回復していない地域や産業もある。

詳しく知る:沿岸部で伸び悩む雇用 – BuzzFeed Japan

外国人の宿泊者数は回復へ
福島県では震災前の8割に

グラフ 外国人旅行者の宿泊者数(出典:観光庁)

岩手、宮城、福島の3県にある従業員10人以上の宿泊施設に泊まった外国人旅行者の数は、震災により一気に減少した。

日本政府観光局によると、外国人旅行者数は全国でみても震災があった2011年にいったん落ち込んだ。その後は急増し、2016年の外国人旅行者は2404万人で、2010年の3.5倍となった。

被災3県も例外ではない。観光庁によれば、岩手県と宮城県で2012年から外国人旅行者の宿泊者数が増え続け、2015年に震災前の2010年を上回った。一方、福島県では震災前の8割程度までの回復にとどまっている。

復興庁は2016年度、観光復興関連予算を大幅に増額してインバウンド推進に取り組むなど、2020年の東京オリンピック・パラリンピックに向けた東北プロモーションを加速させている。福島県については風評被害の対策に補助を継続している。

詳しく知る:まちの主産業どうつなぐ? - BuzzFeed Japan

急ピッチで進む学校の耐震化
除染を優先した福島県では遅れも

グラフ 公立小中学校の耐震化率(出典:文部科学省)

全国の公立の小中学校の耐震化率は2017年4月現在、98.8%。全国の9割近くの設置者が、耐震化を完了している。

マグニチュード9.0、最大震度7だった東日本大震災は、金曜日の午後2時46分に発生した。子どもたちの下校の前後にあたる時間帯だったため、学校の安全に注目が集まった。

文部科学省は2011年5月、公立小中学校の耐震化を2016年3月までに完了し、すべての公立学校が震度6強以上の揺れにも耐えられるようにするとした。だが、学校の設置者である自治体の財源不足などで、まだ耐震化率100%には至っていない。

耐震化率が低い都道府県は、沖縄県(90.0%)、福島県(94.1%)、富山県(94.3%)。福島県では災害復旧や除染が優先されたり、学校の統廃合議論に時間がかかった影響がある。

小中学校は地震発生時に地域の避難場所として利用されることもある。文科省は、校舎の耐震化や体育館のつり天井の落下防止策などの早急な対策を、学校を設置する自治体などに呼びかけている。

詳しく知る:学校の耐震化はいま – BuzzFeed Japan

経済的に困難な子どもたち
1万9000人が就学に支援が必要

グラフ 震災による経済的理由で就学援助を受ける小中学生(出典:文部科学省)

グラフは、東日本大震災による経済的な理由から就学などが困難になった世帯「被災児童生徒就学援助事業」の対象となっている小中学生の人数を示している。

就学援助は、児童生徒の学用品費、通学費、学校給食費、医療費などにあてられる。

最新の2015年度のデータによると、被災3県や全国の避難者らを合わせて約1万9千人。2011年度の約3万8千人から半減したとはいえ、5年を経ても学ぶことに苦労している子どもたちがいる。

経済的に困難な状況にある子育て世帯(岩手県山田町、宮城県石巻市の400世帯)を対象にした、国際NGOセーブ・ザ・チルドレン・ジャパンの2017年の調査がある。

それによると、過去1年間で経済的な理由により家族が必要とする食料を買えなかったことがあった、と答えた世帯は全体の61.1%にものぼる。

震災は、子育て世帯にいまなお深刻な影響を与え、そこで育つ子どもたちのさまざまな機会を制約している。

詳しく知る:子どもたちの学びを支えるには – BuzzFeed Japan

コンテンツ制作:BuzzFeed Japan