千羽鶴は送ってはいけない時がある。

大きな災害のたびに、「被災地には千羽鶴を送るべきじゃない」という論争が巻き起こる。だが、被災地支援の関係者は口をそろえてこう言う。「千羽鶴が悪いわけじゃない。問題なのは送るタイミング」。被災者のニーズに合わない支援物資は、一転して被災地に負担をかける存在となってしまう…。そうした物資のミスマッチを、どうすれば解消できるだろうか。

STEP1 ミスマッチとは?

岩手県では支援物資が「1,000t」余った!?
災害の発生!
災害の発生!
届いた物資が1,000t以上余った!
1,000tを25mプールに例えると…
長さ25m 幅12m 高さ1.2m 360立方m
25mプールの約2.8杯分!
保管する倉庫代が月1,000万円かかった!
現場写真をみる
よかれと思って送った物が、被災地の負担になることもある!

ほかにも「真夏なのに大量の冬服が届いた」「配りきれないほどのランドセルが届いて、保管場所のスポーツ施設が約3年間使用できなかった」など、ミスマッチの例は数多い。余った物資は一定期間保管された後に廃棄されることになるが、「保管や廃棄にもコストがかかる」という点も、こういったミスマッチの大きな課題。

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災害支援団体 シビックフォース 根木 佳織さん

被災地で保管場所を確保するのは簡単ではありません。また、余った物資のせいで被災者の利用場所が少なくなってしまうというデメリットも生まれます

被災者にとっての「必要な物」は時間とともに変わり続ける!
災害の発生!
災害の発生!
発生直後 混乱を乗り切る
応急処置グッズ
3日後 健康維持
テント・ライト
1週間後 気持ちがほっとする
清涼飲料
「必要な時」に、「必要な物」を届けることが大事!

災害から時間がたつにつれて、被災者の気持ちや生活、インフラの復旧状況などは変化するもの。そして、それに合わせるように、被災者が欲しい物も日々変わっていく。熊本地震では、水が出ないときにアルファ米(水で炊けるごはん)が届いたり、水道が復旧した後に飲料水が届いたりなどのミスマッチが起きたため、市が一般からの支援物資の受け入れを中止したという。

災害支援団体 シビックフォース 根木 佳織さん

1週間ほどするとコーヒーやジュースを求める声が増えてきたりもします。避難所の生活に慣れてきた頃に、コーヒーで少しだけほっとしたくなる…。そんな気持ちもわかる気がしませんか?

被災地のニーズの合った物資を届ける仕組みができた!
災害の発生!
災害の発生!
被災地域
ニーズの聞き取り
情報の提供
物資の配布
物流企業
NPO
事務局
物資提供企業
被災地の声を聞いて物を送るからミスマッチが起こりにくい!

ミスマッチの課題を解消するために「企業と民間非営利団体(NPO)をつなぎ、被災地に物資をすばやく届けるための連合体」として生まれたのが、緊急災害対応アライアンス「SEMA」。加盟するNPOが現地で被災者のニーズを聞き取り、加盟企業が支援物資を調整し、一括して避難所に届けるのが主な役割だ。

SEMA事務局 ヤフー株式会社 岸谷 美穂さん

SEMAに加盟しているのは、51企業と6つの団体※。支援物資はその日だけなく、翌日にも配布できるような大量の物資が調達できる企業の力はとても大きいのです※2019年2月現在

STEP2 私たちにできる支援の方法

物を送るよりも「寄付」のほうが賢い方法!?
寄付金の種類
災害直後
数カ月後
NPO 初動調査 支援物購入 サポート 人材確保
自治体
被災者 現金
支援金
義援金
支援金は「力になりたい」という思いがすぐに生かされる!

災害支援の寄付には義援金と支援金の2種類があり、自治体から被災者に平等に配分されるのが義援金、NPOなど災害支援を行う団体の活動のために使われるのが支援金だ。ちなみに、支援物資の調達や避難所生活のサポート、自宅避難者のサポートなど、「行政がフォローしきれない細やかな活動」を行っている点が、NPOの特徴。私たちは「支援金」という形でその応援ができる。

災害支援団体 アドラジャパン 橋本 笙子さん

被災地のために何かしたい、という気持ちはすごくわかります。被災地に負担をかけず、しかも大きな力になれる方法として、寄付を活用してみてはいかがでしょう

日本の「寄付意識」は何位?
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ミャンマー
インドネシア
オーストラリア
英国
ニュージーランド
オランダ
ノルウェー
アイスランド
アイルランド
マルタ
アラブ首長国連邦
米国
パナマ
ポルトガル
リトアニア
コンゴ
ブルガリア
中央アフリカ
カメルーン
日本
日本
南アフリカ共和国
スイス シンガポール スウェーデン デンマーク カナダ 香港 ドイツ ハイチ オーストリア タイ
イスラエル イラン バーレーン ルクセンブルク ケニア ベルギー モーリシャス キプロス モンゴル コソボ
韓国 ボスニア・ヘルツェゴビナ フィンランド スリランカ クウェート キルギス ウズベキスタン トルクメニスタン トリニダード・トバゴ ナイジェリア
スロベニア イタリア スペイン ザンビア 台湾 ネパール ラオス チリ タジキスタン カザフスタン
ホンジュラス スロバキア カンボジア タンザニア ガーナ ウクライナ イラク 南スーダン パラグアイ ガンビア
リビア アルバニア パキスタン エストニア フランス サウジアラビア ニカラグア マケドニア コスタリカ クロアチア
ウルグアイ モンテネグロ レバノン セルビア モルドバ ポーランド バングラデシュ ウガンダ シエラレオネ ハンガリー
ルワンダ ギニア グアテマラ ロシア チェコ ベラルーシ ラトビア インド ドミニカ共和国 ルーマニア
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日本はこんなに災害が多いのに、寄付意識が低いんだね。

出典:CAF WORLD GIVING INDEX 2018

平成28年の内閣府「市民の社会貢献における実態調査」をみても、寄付経験のある国民はわずか41.2%。毎年のように災害が起きているにもかかわらず、日本の寄付意識は低い。とはいえ、ミスマッチの現状やNPOの活動の大事さを知ったいま、みなさんの寄付に対する意識も少しずつ変わってきたのではないだろうか。

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寄付は災害の備えにもなる!
もし自分が被災者になった時、NPOやSEMAはきっと力になってくれる。自分のためにも「寄付」で彼らの活動を応援してみませんか?
インターネットならクレジットカードやポイントでも気軽に寄付できるよ!
災害支援団体アドラジャパンに寄付をする
災害支援団体シビックフォースに寄付をする
被災地支援に寄付をする(災害復興みらい募金)

取材協力:

  • 熊本市 政策局 復興総室
  • 特定非営利活動法人 アドラジャパン

    1985年設立。世界120カ国以上の支部と連携し合いながら、「人間としての尊厳の回復を維持」を実現するため、教育、健康、災害支援などの分野で国際的な活動を行っている。

  • 公益社団法人 シビックフォース

    2009年設立。国内の災害発生時には企業、ボランティア、行政と連携し、調整役を担う。西日本豪雨の際にはレスキューチームを派遣し、取り残された住民を救助した。

  • 緊急災害対応アライアンス SEMA

    民間の力で公的支援を補完するためのアライアンス。支援を主導する自治体に迷惑をかけない、地域経済を壊さないなどのルールを設けて、積極的な被災地支援活動を行っている。

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3.11企画 いま、わたしができること。